残置物を撤去した場合の費用って…
慣れない大家の残置物処理やトラブル回避!契約時からの用意を!

残置物、頻繁に引っ越しをしたりしていなくても、不動産会社のチラシを見ていたりすると、結構目につく単語です。
でもその残置物が一体何かと言われると、意外と把握していない人も多いのですね。
ここでは残置物のことでのと後トラブルが起きたりしないように、残置物とは何かまたその所有権や処理の仕方、残置物のせいで起きたトラブルなど紹介していきましょう。
そもそも残置物とは
非常に簡単に言ってしまうと、賃貸などで前にその部屋を借りた人が、元々の設備以外のものを置いていってしまったものを指します。
例えばその賃貸アパートが、完全家具付きのものならともかく、そうでなければ借りる人はある程度の家具や電化製品を持ち込むことになります。
特に電気関係、シーリングライトなども設置されていないアパートなどでは、これも持ち込まなくてはなりません。
冷蔵庫やエアコンも、同じく持ち込みのケースもあります。
エアコンは近ごろの新築の賃貸物件の場合、設置済みのことが多いのですが、まだそうでない物件もあるのです。
しかしこうした元々の設備ではないもの、引っ越しの時に邪魔になってしまうこともあります。
次の引越し先には設備としてすでにあった場合など、まあ良いかで置いていってしまったり、もしくは大家さんの承諾を得て置いていくこともあります。
こうした品を、残置物と呼ぶのです。
設備とはどう違う?
残置物と設備の最も大きな違いは、設備は元々その部屋に付属していたものだということです。
貸し出した時にすでにその賃貸に付属していたものを指します。
シーリングライトやエアコンは、近頃の賃貸では当たり前のように設置されていますね。
新築の場合、内覧した時にその場にあったものは設備ということになります。
しかし内覧用の部屋の場合は、家具など設置されていることもあるので、それが設備なのかそれとも内覧用の部屋のデコレーションなのかは確認の必要があります。
家具はともかく、エアコンや冷蔵庫、シーリングライトなどは間違えやすいので、貸主や不動産屋に確認してください。
宣伝用のチラシに明記してあれば問題ないのですが、明記されていないこともあるのでこちらから質問することをおすすめします。
しかしもちろん、設備だけでは暮らしていくのに不十分、持ち込まなくてはならない物も多いです。
電化製品はその最たるものですし、今の世の中無いと不自由なだけでなく、生きていけない品々もあります。
夏冬の冷暖房が必要なら、エアコンはなくてはなりません。
エアコンが設備としてあったとしても、北向きの部屋で寒ければこたつなども必需品となります。
冷蔵庫も、もし設備で付属となっていても、サイズが小さすぎるとかの場合、自分の好みのもしくは以前から愛用していた品を持ち込みたくもなります。
ガス台、ガスコンロもほとんどの賃貸では設備として付属になっていますが、コンロの口数が少ないから持ち込みたい、ということもありますね。
洗濯機や電子レンジの範疇になると、設備として置かれていることはあまりないので、自然持ち込みになります。
簡単にまとめますと、借りる時にその賃貸の付属に最初からなっているものを設備と呼びます。
でもそれでは生活上足りないと持ち込んだ品々を、引っ越しの際に置いて追ってしまうもの、これを残置物と呼ぶのです。
と整理してくると、残置物と設備の違いがわかりやすいのではないでしょうか。
残置物は誰に所有権があることになる?
さておいていかれたあれこれ、もちろん家主や管理会社に許可をもらって置いていったものは別ですね。
この場合残置物を置いていった元借り主は、所有権を完全に放棄したと言うことになります。
そうでなく無許可で置いていかれたものの場合所有権はどこにあるのでしょう。
これは簡単に言うと、所有権は放棄されたものとみなされます。
一般的には、覚書を取り交わすことが多いので、確認してみてください。
残置した動産類がある場合には、賃借人は当該動産類についての所有権を放棄し、賃貸人がを処分することに異議を述べない、というような文章です。
また最初から、大家や管理会社の方から残置物は一切認めないというルールを提示することもあります。
この場合そのルールに従って、前の借り主の残置物は当人は廃棄したとみなされるのです。
つまり、所有権は放棄されたということですね。
こうした覚書や合意書がない場合、面倒なことになるので近年は必ずと言っていいほど賃貸契約の際にこうした文書が取り交わされます。
なので後日、何で処分したんだという抗議は受け入れられないということですね。
良くごみ集積所に捨ててあったゴミの所有権はどこにある、と言う問題が浮上します。
しかしこうした賃貸の場合、すでに契約書で所有権について謳ってあるのですから、合意書などあった場合には所有権放棄をみなされてしまうのです。
特に貸主にとっては、後々のトラブルにならないように、この手の合意書や覚書を用意しておくことをおすすめしたいです。
残置物はもし使えなかったら?
使わない人にとっては、単なるゴミと化してしまっている残置物です。
ちなみにシーリングライトのようなものの場合、単なる引っ越しの忘れ物ということもあるので、一度は連絡してあげるのがよろしいでしょう。
でもそうでない場合は、貸主もしくは管理会社の方で処理しなくてはなりません。
もちろんまだ使えそうな品物の場合、シーリングライトなどその代表ですが、次の借り主にそのまま使ってもらう事もできます。
時にチラシに、天井の照明は残置物です、などと書かれているのがこれにあたります。
借主の方も面倒なく、持ち込み無しで使えるので話が丸く収まるケースが多く、処理方法としては最も前向きとも言えます。
チラシに明記してあるのですから、どうしても嫌だという場合にはまあその賃貸自体の利用も、控えてくれるでしょうね。
しかし設備としての二次利用も出来ず、次の借り主に残置物として利用してもらうことも出来ない、壊れた電化製品などもあります。
また実際にあったことですが、机や椅子などを引っ越しの時に置いていってしまう人もいるのです。
こうした物品で、所有権も放棄していることが明らかな場合は、これを処理しなくてはなりません。
大家とか管理会社の処理にかかってきます。
残置物の処分の前に
さてこれとこれはもう、処理するしか方法がないと判断された場合、処理方法を考えなくてはなりません。
管理会社や不動産会社の場合は、そうしたことにも困ったことに慣れっこで、処理方法も問題なく行うことも出来ますね。
しかし管理委託もしていない、普通の大家さんの場合にはまずこの処理方法でちょっとつまずいてしまいます。
まず所有権についての確認が必要です。
契約時の覚書などで、残置物についての所有権放棄を確認している場合、所有権については問題はありません。
大家の所有物として、不要なものは処分できます。
ただこうした覚書など交わししていない場合、元の借り主への連絡は必須です。
確実に所有権を放棄したと言うことにならない場合、勝手に処分ができないのですね。
これは後々問題になることもあるので、注意しておきたいです。
連絡がついて、所有権は放棄するとなった場合、大家は残置物を処理処分する権利を得ます。
なので業者に頼んでの処分となります。
手続きは残念ながら、大家がすることになってしまいます。
手間がかかるだけ、ちょっと損した気分にもなりますね。
ただここにかかる費用は元の借り主に請求ができるのです。
かかった費用を後日請求できるので、領収書などしっかりととっておいてください。
この業者の見積もりも、できればその元借り主立ち会いのもとでは望ましいですね。
納得の上での金額なら、後日問題になることもありません。
立ち会いが難しいなら、一任するというメモでもいいので一筆を取っておきましょう。
トラブルのない処分処理を行うには、事前の用意もしっかりとしておきたいですね。
実はこの残置物を減らすもしくは皆無とするには、引越し当日の大家の立ち会いが重要なのです。
しかし個人でやっているアパート等だとどうしても、その立ち会いが難しいなどのこともあります。
なので後手に回ってしまって、こうした面倒な手間のかかることもしなくてはならなくなるのです。
できるだけ元借り主の引越し当日、残置物の有無を確認してもしあったら撤去をするように進言してください。
どちらにもそのほうが後日の面倒もなく、トラブルに発展することもなく済みます。
また大家の場合、一時的とはいえ処分代を支払う必要もあり、その後支払ってもらえるだろうかなどの精神的緊張もあったりします。
最も完全な事前の用意、引越し当日の残置物チェックを行うようにしてください。
実際の残置物の処理方法は?
さて残置物の廃棄が決まったら、実際にどう処理すれば良いのかを考えなくてはなりません。
残置物が小さなもので、その自治体の燃えるゴミや資源ごみとして出せる場合は、当日に出すだけで済みます。
最も面倒なく、手間も体力も賞金もかからないう方法です。
ただ実質、残置物というものそれなりのサイズがあるものが多いのです。
逆を言えばそうしたものだから残置してしまった、とも言えるのですね。
そうした物品の数が少ない場合、例えば布団とかが1枚とか2枚の場合、自治体の粗大ごみの収集で持っていってもらうことが出来ます。
しかし数が多かった場合は、そうも行きません。
実際に、机に椅子、エアコンと冷蔵庫、ベランダの物干し竿、干し物台、加えて背の高い電気スタンドなど多くの残置物がいっぺんに出てしまうこともあるのです。
こうなると素人では、歯が立ちません。専門の業者に依頼する必要が出てきます。
特にエアコンなどの場合、取り外しには専門的技術が必要になります。
下手に素人がやった場合、部屋の壁にも傷がつくことだってあるのです。
危険もあります。
また残置物はこうした製品だけではありません。
壁紙なども張り替えてあることがあります。
借り主の趣味で恐ろしく派手な壁紙に借り換えてあった例もあると言います。
敷金で充填できる範囲なら良いのですが、またそんなにとんでもない壁紙でなければそのまま次の人に、設備として引き継ぐことも出来ますね。
しかしそうでない場合、とりあえず剥がして貼り替えないとどうにもなりません。
素人では、何も手を出せない状況となってしまうのです。
単に残置物、すぐに動かせるものを処分するなら、不用品回収業者に一括して頼むのが最もおすすめです。
トラックいっぱいでいくら、などという業者もいますので、そうした業者に依頼すれば割とコスパよく処理が可能です。
しつこいようですが業者に依頼する時には、元の借り主に連絡して見積もりを確認してもらうなどしてください。
後から料金に関するクレームが来る危険性もあります。
遠くに引っ越したので来られないなどの場合、委任する旨の一筆を入れてもらいましょう。
そして壁紙など移動が出来無いものは、これも専門の業者に依頼する必要があります。
同じく貼り替えまでの見積もりを出してもらって、文句のないという一筆を元借り主にもらっておきたいですね。
最後に、業者を選ぶ際には不用品回収の許可を得ている、きちんとした業者に依頼してください。
安く見えるからと言って、無許可営業の業者に依頼することは、絶対に避けてくださいね。
残置物についてのトラブルとは
残置物について、所有権がとか、放棄したのではなく忘れただけなのにとか、後日クレームを申し出てくる人もいます。
もちろん引越し時に立ち会えなかった貸主の方にも落ち度はあります。
しかし明らかに言いがかりのようなクレームからトラブルに発展することもないではありません。
またこれは非常に少ない例ですし、めったにあってもらっては困ることなんですが、クレームを入れて利益を得ようとするトラブルメーカーもいます。
勝手に人のものを処分したのだから、その賠償金をとか脅迫してくると言った例も、無いではないのです。
契約時に、残置物についての合意書や覚書を交わしていない場合、どうしてもこうしたトラブルに発展する危険は避けられません。
なので事前の安全のための用意が必須になるのですね。
プロである管理会社や不動産会社の場合それこそ契約時に交わす文書はきっちりと出来上がっています。
これまでの経験から、契約時にこことここは抑えるという経験則から出たマニュアルもあります。
それでもトラブルが皆無かと言うと、無いではないという話なのです。
とすると、素人大家の場合本当にトラブルを回避するには心と実務の用意が大切ということになります。
残置物のトラブル1
まず最も多いトラブルです。
元の借り主から、残置物ではなく忘れ物だったのに勝手に処理されたとか、所有権は自分にあるのに無視されて捨てられた、などのクレームによるものですね。
実際にこれが最も多く、結果裁判にまでなったケースもあります。
これは契約時の不手際が原因でということも多く、貸主の方の手落ちも原因の1つではあります。
しかし些少ではあってもこうしたことを理由に、お金を取ろうとする人もいますので、いざとなったら訴えることも視野に入れましょう。
また引越し後の所有権の問題については、契約時に確認を取って覚書など交わすことも忘れないようにしたいですね。
所有権の問題と、所有権破棄をするという一筆さえあれば、これは残置物を発生させたほうの責任でもあり、また処分するについて文句は言わせないという証拠になります。
必ず契約時にこの、引越し後の問題についての確認を入れるようにすれば、こうしたトラブルは激減します。
悪気のない場合、本当に荷物に積み忘れた場合などもありますが、そう言った場合でも貸主に処分の手間がかかるのでやはり一種のトラブルとなってしまいます。
残置物にはくれぐれも、注意を払ってなくすように心がけておいてください。
引っ越しの立ち会い、するようにしたいですね。
そして後日のことも考えての契約を、実行するようにしてください。
残置物のトラブル2
こちらは残置物と貸主、新しい借り主についてのトラブルです。
元の貸主が置いていった、しかもこれを置いていっていいかと断った結果、設備として利用することを決めたものについてです。
エアコンやシーリングライトなどが、こうした残置物の代表になります。
新しくその部屋を貸す時に、最初からこのエアコンなどを残置物として宣伝に載せるか、それとも設備として載せるかは一応大家次第になります。
でもこれがトラブルのもとになることもあります。
というのも、エアコンにしてもシーリングライトにしても残置物イコール中古品です。
新品を設備として提供するのとは、いささか勝手が違ってきます。
もちろんその製品の寿命も、短くなるのは当然ですね。
なので設備とかで新しく貸した場合、後から残置物だと分かった場合クレームが発生することもあるのです。
中古品をそうと知っていて、黙って設備として提供したなどですね。
壊れて当然の中古品、新しいのに変えてくれなどのクレームももちろん発生します。
なので大家としてはこうしたトラブルを避けるためにも、残置物は残置物としてチラシに載せたり、内覧の時に説明しておくほうがおすすめです。
おすすめというよりも、必須ですね。
一旦中古の品とわかれば、これは確認の上で借りるということなので、中古なのにというクレームは出ません。
ただ少なくはありますが、誰かの残置物は使いたくないという人もいますので、やはり最初にその旨断っておくのが正解ですね。
製品自体に問題が起きたときには、結局大家が修理ということになりますので、その点も覚悟してください。
残置物のトラブル3
残置物でしかも所有権は放棄したという確認も取れ、処分の費用も出しますと言われた場合、早速業者に依頼ということになります。
自分でももちろん出来ないことはありませんが、体力気力も並大抵でなく必要なので、特に多くの大型の残置物があった場合は、業者に連絡してお願いしましょう。
しかしこの時に、できるだけ安くと考えて、失敗することもあります。
不用品回収業者に依頼するのが最も問題なく手早いのですが、不用品回収を謳っている業者がどれも優良業者家というと、その保証の限りではないのです。
実際に、必要な許可ももたずに営業している悪質業者もいます。
そう言った業者の場合、後から見積もり以上の金額を請求してきたり、然るべき方法での残置物の処理をしなかったりすることも無いではないのです。
安いからという理由だけでこうした業者に引っかかると、見積もり以上の金額を取られたり、違法なものの捨て方をされたりするのです。
場合によっては自治体の方から問題が、と言う連絡が入ることもあるので注意してください。
ネットなどできちんとした業者なのかを確認、その後複数の業者に見積もりをとってから依頼するようにしましょう。
この時の見積もりは、できれば元の借り主に一緒に立ち会ってもらう、見積もりを提示して確認と了承をもらうなどすると、後日高すぎるなどのクレームを防げます。
しつこいようですが、見積書と領収書はしっかりと保持するようにしてください。
極悪業者に依頼して多くの料金を取られて、元の借り主からなんでこんなに高い金額だとクレームを、などのトラブルを避けるためにも、ひと手間かけるようにしましょう。
こんなトラブルにならないように、やはり大事なのは引越し当日の立ち会いですね。
残置物に関するよくある質問をまとめてみた
Q:エアコンの処分はどうすれば粗大ごみでいい?
A:エアコンは家電リサイクル法の対象になります。
なので専門の業者に取り外しと廃棄を頼むようにしてください。
自治体の粗大ゴミには出せません。冷蔵庫も同じです。
Q:元の借り主が引越し時に部屋の中のものは処分してと行ったんですがそれで大丈夫?
A:いわゆる口約束ですね。残念ながら口約束では所有権の放棄は確認されたことになりません。
確かに所有権を放棄したという書類にサイン、判子をもらっておきたいですね。
Q:できるだけ安く処分したいのだが無料回収は大丈夫?
A:きちんとした業者かどうか調べる必要はあります。
きちんとした業者の場合、リサイクルなどに出すので無料回収が可能なのです。
しかし回収できない品物もあるので、その点は注意してください。
またこちらも不良業者がいて、全部無料とは言っていないなど言い出して高額請求することもあります。業者選びは慎重にしてください。
Q:いっそリサイクルショップに持ち込んで処分は?
A:リサイクルショップは便利ですし、ものによってはそれなりの値段で買い取ってもらえます。
少しは手間の賃金にもなるというものですね。
しかしデメリットもあります。
近くにショップがないと出張を頼まなくてはいけない、全て買い取れるわけでもないということです。
また家電なとの場合、箱に入れたりして用意する手間もかかってしまいますね。
Q:不用品回収業者できれば安いところを
A:不用品回収業者の引取の料金、これ意外と差があるものです。
なので相見積もりをとることをおすすめします。
見積もりだけなら無料という業者がほとんどなので、うまく利用してください。
ただあまりに安い見積もりを出してくる業者には、気をつけてください。
後で高額な費用請求をする悪質業者も存在します。
最後に
残置物というもの、できれば避けたいのは大家として当然のことです。
最も確実なのは、引越し当日の立ち会いですね。
その借り主との契約時に撮った写真があると、確実性が増しますので撮っておくのがおすすめです。
それでも残置物が出てこともあります。
なので事前に所有権についての問題を片付けられるようにしておきましょう。
契約時に、残置物が出た場合の所有権についての一筆、もらうようにしてください。
備えあれば憂いなし、事前の用意で残置物にかかる手間も、トラブルもなくしておきたいですね。