特殊清掃ってどれくらい費用がかかるの?その業務内容と相場を徹底解析!

2021年5月29日

特殊清掃ってどんなことをしてくれるの?
特殊清掃にかかる費用について詳しく知りたい!
良心的な特殊清掃業者の選び方などが知りたい!

その疑問にお答えします!!

同じ清掃業でも、「特殊清掃」と呼ばれる清掃は事件や事故、自殺などの特異性の強い現場を片付ける清掃業のことをいいます。

ご遺体が絡むことが多く、腐敗や腐乱が進むことで汚れてしまった室内を、きれいに清掃するのが特殊清掃の主な業務内容です。

このような現場を、素人が片付けたり清掃することは困難を極めるため、専門業者に特殊清掃を依頼することになりますが、特殊清掃に依頼する場合、その費用はどれくらいかかるものなのでしょうか。

かかる費用や、優良な業者を見極めるためのポイントを、これから詳しく解説していきましょう。

特殊清掃のニーズと業務内容

特殊清掃が必要となる事案は、事件や事故、自殺や孤独死など、人の死が関わることが多いのが特徴です。

近年特に耳にすることが多くなった「特殊清掃」とは、どんな業務を行っているのでしょうか。

ニーズの高まり

人は亡くなると、正しい処置をしなければ当然ながら腐敗してしまいます。

その処置が遅れれば遅れるほど腐乱は進み、血液や体液が外部に漏れだし、やがて腐乱臭が発生し部屋を汚してしまうことになるのです。

近年社会問題の1つともなっている孤独死は、相変わらず増加の一途をたどっています。

人知れず亡くなる人が増えていることで、特殊清掃の需要は高まりを見せるようになりました。

「孤独死」の問題が顕著になると同時に、民間企業や団体が特殊清掃の資格取得に乗り出し始め、さらなる注目を集めるようになったのです。

特殊清掃の仕事内容

人が亡くなった後に汚れてしまった部屋は、一般的な清掃できれいな状態に戻すことは困難です。

だからこそ特殊清掃は必要とされているわけですが、特殊清掃に依頼すると、下記のような清掃を行います。

血液などの体液の除去

体外から漏れ出した血液などの体液は、壁や床に染み込んでしまうと、簡単に取り除くことはできなくなります。

特殊清掃のために開発された特殊な洗剤やブラシを用いて、これらの体液を丁寧に落としていきます。

腐乱臭の除去

遺体は、時間が経過すれば経過するほど腐乱臭を発生させます。

腐乱臭は布団やカーテン、カーペットなどの布類につきやすいですが、ひどくなれば壁や床にまで染み込むこともあるほどです。

これらの腐乱臭を、特殊な消臭剤や消毒剤を使い、取り除いていきますが、ひどい時にはオゾン脱臭器などの機械を使うこともあります。

害虫の駆除

ご遺体の腐乱状況がひどいと、害虫が発生することもあります。

特に夏季には気温が上がることで遺体の腐乱は進みやすく、害虫の発生率も高くなるものです。

これらの害虫を放置することにより、害虫を媒体として部屋の汚れは悪化していきます。

ハエやウジ虫、ゴキブリなどの害虫を、駆除剤や薬剤を用いて駆除していきます。

遺品整理

故人の遺品を仕分ける作業です。

必要なものと不要なものに仕分けし、必要なものは依頼人や遺族へお返しし、不要なものは廃棄処分するものと、リサイクルするものに分けていきます。

遺品整理士と呼ばれる資格を持った人がいると、さらに作業がスムーズに進みます。

特殊清掃にかかる費用

そんな特殊清掃を依頼しようと考えた時、気になるのはその費用ですよね。

特殊清掃は、その業務内容を考えてもわかるように、一般的な清掃より費用が高くなることは間違いありません。

特殊な洗剤や消臭剤といった特別な薬剤を使用するだけではなく、専門的な知識や技術も必要となるからです。

依頼した経験がなければ、どれくらいの費用がかかるのかとても不安になるものですが、特殊清掃の費用の相場は、どうなっているのでしょうか。

発見された時期

特殊清掃にかかる費用は、ご遺体が発見された時期によっても大きく変わってきます

死後から時間が経過すればするほど、部屋へのダメージが大きくなるからです。

気温の高い夏場なら死後2〜3日、冬場なら1週間程度で腐敗は始まります。

ご遺体の発見が遅れれば遅れるほど腐敗が進み、費用は高くなりますが、死後から2〜3日であっても、特殊清掃が必要となることが多くなるのです。

価格設定の方法

特殊清掃を行っている業者は、その価格設定を間取り別やごみの回収量、これらを合わせたパック価格など、様々な形で価格設定をしています。

かかる費用の算出量は、業者によっても異なるため、依頼する前には価格設定の方法やその目安を確認する必要があります。

a.間取り別

多くの業者が、特殊清掃の費用を間取り別に設定しています。

自殺や孤独死を遂げる人の多くが一人暮らしをしていることが多いため、間取りは小さい間取りがほとんどです。

死後3週間で発見された場合を目安とすると、料金の相場は下記のようになります。

1R・1K・・・¥30,000〜¥80,000
1DK・・・¥50,000〜¥100,000
1LDK・・・¥80,000〜¥180,000
2DK・・・¥90,000〜¥220,000
2LDK・・・¥120,000〜¥300,000

b.サービス(作業)別

実施されるサービス別に、価格設定をしている業者もあります。

一部のサービス別の費用相場は、下記の通りです。

・床上特殊清掃・・・・¥30,000〜
・浴室特殊清掃・・・¥40,000〜
・消臭剤や除菌剤の使用・・・¥10,000〜
・畳の撤去・・・1枚¥3,000〜
・オゾン脱臭・・・¥30,000〜

c.その他の費用

その他の費用として遺品整理を行う場合や、リフォームを行う場合は、別途費用が発生します。

近年は特殊清掃と遺品整理をセットにし、パックで価格設定をしている業者も多くあります。

また、特殊清掃費用の中に含まれることもあるため、事前の確認が必要です。

良心的な業者を選ぶ方法

特殊清掃は、特殊な技術を必要とする清掃であるだけではなく、故人への尊厳も尊重される業務内容です。

そのため、依頼するにあたりできるだけ良心的な特殊清掃業者を選びたいと思うものですが、どんなことに着目して選べばいいでしょうか。

有資格者

特殊清掃は、一般的な清掃とは一線を画し、特別な技術を要する清掃です。

そのため、「事件現場特殊清掃士」と呼ばれる資格を有している人がいると、安心して依頼することができます。

この資格は「一般社団法人事件現場特殊清掃センター」と呼ばれる機関により発行されており、法律を遵守した特殊清掃を身につけた人に発行される資格です。

遺品整理まで依頼するなら、「遺品整理士」という資格を持った人がいると、より安心です。

遺品整理のことだけではなく、法律にのっとった廃棄物の処理方法なども、詳しく教えてもらうことができます。

明確な価格表示と実績

ホームページなどに、清掃にかかる費用の目安や、清掃内容の詳しい説明の記載がある業者ほど安心です。

これまで実施した特殊清掃の実施件数や清掃内容まで詳しく公表していれば、信頼性も高くなります。

見積書の作成

依頼を受けるにあたり、ほとんどの清掃業者が見積書を作成するものです。

ですが中には、口頭だけで契約を成立させようとする業者や、電話だけで依頼を引き受ける業者もいます。

見積書の作成と提示は必要不可欠ですが、現場を確認したうえでの作成が必須です。

さらに、清掃作業の内容や費用の内訳を、より詳しく説明してもらえるかが重要なポイントとなります。

費用を一括で表示したり、作業の内容の内訳が曖昧な業者は良心的な業者とは言えず、注意が必要です。

複数社による相見積もり

見積もりを依頼する際、1社だけではなく複数社に見積もりを依頼し、その価格や作業内容の適性を比較します。

複数社から見積もりを取ることにより、作業のより詳しい内容や費用がわかるようになります。

また、相見積もりをすることで競合効果により、値下げしてもらうことも可能です。

まとめ

特殊清掃という言葉を聞くと、少し身構えてしまうものですが、人が亡くなり時間が経過してしまった現場は、想像を絶するものです。

専門的な知識と技術を持った特殊清掃人に依頼すると、感染や二次被害を抑えながら適切に、清掃と片付けをしてもらうことができます。

かかる費用は状況によって大きく変化するため、事前の見積もりと作業内容の確認が、とても重要です。

故人への尊厳を忘れず、その仕事内容やかかる費用を事前にしっかり理解しながら、特殊清掃を実施すれば、現場を元通りのきれいな状態に戻すことが可能となります。